
どうも、shiny(シニー)です。
少し前に最新のテクノロジーを詰め込んだG-SHOCKのフルメタルについて書かせていただきましたが、今回は逆に手巻きのローテク腕時計、セイコーのヴィンテージ時計について書いていこうと思います。
ヴィンテージ時計は、他にもキングセイコーを所有した事もありますが…やっぱり良いですね。
現代の時計には無い良いところがいっぱいです。
セイコークラウンだけではなく、ヴィンテージ時計の購入を迷っている方に有益な記事となっておりますので、是非参考にしてみてください。
- セイコーのアンティークに興味のある方!
- 初めてアンティーク時計の購入を検討されている方!
- アンティーク時計の良さを知りたい方!
そもそも「アンティーク」と「ヴィンテージ」の違いは?
なかなか使い分けが難しい言葉ですが、実は思ったよりしっかりとした定義があります。
アンティーク時計→100年以上前の時計
ヴィンテージ時計→20年〜100年以上前の時計
世の中に出回っている古い腕時計のほとんどは「ヴィンテージ時計」です。
混同して使われる事が多いですが、一応明確な違いがあります。
セイコークラウンの歴史
セイコークラウンはSEIKOのヴィンテージ腕時計です。

クラウンの製造期間は1959年から1967年頃まで。クオーツ販売直前まで製造販売されてきた腕時計です。
*1969年12月25日に世界初のクオーツ時計「セイコーアストロン」の発売が開始されます。
セイコーの機械式時計は当時行われていた時計の精度を競うコンクールでは国内で無双、当時世界No.1であったスイス製よりも高精度を叩きだしています。
またクラウンに採用されているムーブメント(Cal.560)は、その後初代グランドセイコーの機構のベースにもなっておりセイコーの歴史に名を残す名機です。
ヴィンテージ時計って扱いづらい?
正直、ヴィンテージ・アンティークと言われる時計は新しい時計と比べて色々制約があります。
一番扱いに気をつけなくてはならないのは、「雨」と「湿気」です。
古い時計は防水性能が失われている事が多く、汗をかく夏の日や雨の日は着用を避ける必要があります。
気にしなくてはならないのはこの一点ですが…夏はほぼ着用する事が出来ません。
アンティーク時計は1点豪華買いではなく、セカンド時計として考えるのがベストです。
天気を気にしなくてはならない辺りは革靴と同じですね。
セイコークラウンの魅力
ここからはセイコークラウンに絞って魅力をお伝えしたいと思います。
セイコークラウンを使用していて良いと思う点は下記4点です。
- 今の大きくて重い時計ばかりはちょっと疲れる
- ノンデイトが素晴らしい
- かなりの確率でカブません
- クォーツショック前の機械式時計に触れる
それぞれ詳細させて頂きます。
今の大きくて重い時計ばかりはちょっと疲れる
最近の時計、本当大型化が進みすぎです!
最近でこそ少しコンパクトなモデルも出てきましたが、基本40mmを超えてきます。
その点、アンティーク時計はかなりコンパクトなものが多いです。
セイコークラウンのケースサイズは36.5mm。細い日本人の腕にもしっかり乗ります。

*私の腕は一周16.5cmです。
そしてもう一つ。
時計自体がかなり薄いです。機械式と言えば自動巻ですが、セイコークラウンは「手巻き」。
手巻きは名前の通り、ゼンマイを手で巻き上げるのでローター部分が無い分時計を薄くする事が出来ます。
リューズを手で巻き上げることでゼンマイを巻いていきます。

厚さは9mm。

小さく、薄く、さらに革ベルトでかなり軽くなります。
私自身、普段からあまり重さを気にしない方ですが、実際軽い時計をしてみるとかなり楽です。
ノンデイトが素晴らしい
自動巻きの時計を何本か持っているとどうしても止まってしまう時計が出てきます。
自動巻きの時計が止まると…カレンダーが止まります。
カレンダーが止まると…その時計あまりしなくなるんですよね。(経験がある方なら共感いただけると思います。)
セイコークラウンはノンデイトなのでカレンダーの心配をする必要はありません。
着用したいと思ったら時間を合わせるだけでOK!
ほぼカブりません
セイコークラウンはアンティーク時計の中ではかなり球数があるのは間違いないですが、一度も外で見た事はありません。
さらにセイコークラウンは珍しい文字盤が多いので、例えクラウンカブりしたとしても文字盤までカブる事はまずないでしょう。
王道のバーインデックスはカブる可能性もありますが…むしろ、ヴィンテージの時計がカブった時点で「仲間」です。
仕事、プライベート、いずれにしても話が弾む事は間違いないでしょう。
ちなみに…私のクラウンの文字盤は「全数字」と呼ばれるもので、生産量自体がかなり少ないので絶対にカブらない自信があります。
アンティーク全般、あまりカブる事がないので、人とカブりたくない方にはおすすめです。
クォーツショック前の機械式時計に触れる
1970年、セイコーが生み出した「クオーツ」によって機械式時計は壊滅的な打撃を受けます。*いわゆる「クオーツショック」。
クオーツは機械式より安価で正確。
当時としては驚くべき技術革新だったと思います。
クオーツショック後、一旦機械式時計は衰弱の一途を辿りますが、2000年代初頭にラグジュアリーな腕時計として復活を果たし、今では高級時計の位置付けです。
1970年代まではクオーツが無く機械式のみで、各社各々機械式の精度をいかに高めるか?を競っていました。
そんな時代の機械式時計は今の機械式時計(コストダウン、OEM …)よりもかなり趣があります。
この時代のメーカーはムーブメントの自社開発、自社生産、内部の機械の装飾など…競争が活発で開発が盛んに行われていました。
*現代の機械式時計については、闇が深いので興味のある方は調べてみてください。
ヴィンテージ時計ならではのデメリット
すでに簡単には触れていいますが、ヴィンテージならではのデメリットもあります。
ぶっちゃけ夏・雨の日は使用する気にならない
ヴィンテージ時計は湿気に弱いです。
パッキンの劣化を始め、各種部品も相応の経年劣化があるので当然といえば当然ですが…残念な点の一つです。
ヴィンテージ1本勝負!ではなく、セカンド時計・サード時計として楽しみましょう。
今後の部品問題
セイコークラウンはかなり球数があるのでほぼ問題ないですが、レアな時計は部品がない場合があります。
*特に高級品。
最初のうちはメジャーなアンティーク時計を狙っていく事をおすすめします。
磁気に対しての抵抗力がゼロに等しい
ヴィンテージ時計全盛期の1970年代はパソコン、スマホ・パソコンなど全く無い世界でした。
そんな中、生まれた時計なので「磁気」への対応策など皆無です。
機械式時計の部品が磁気により磁化されると、テンプの動きに影響が出て精度に影響が出てしまいます。
スマホはある程度仕方ないとは思いますが、PCで仕事をする際は外しておく必要があります。
オーバーホールが高くなる傾向
現代の機械式に比べて部品が少なく、事例も少ないからなのか…オーバーホールの料金が高額になりがちです。
機構によって価格は異なるのですが、三針の時計でおおよそ2万円〜5万円。
価格の振れ幅が大きいのも特徴です。
色々な時計屋に電話しましたが、3〜4万円多いように思います。
安いからダメ、高いから大丈夫では無いので判断が難しいところです。
また別の記事で私がお世話になっている時計屋さんも紹介したいと思います。
セイコークラウン(アンティーク時計)に合う革ベルト
今回購入したセイコークラウンはAmazonでベルトを購入しました。
アンティーク感を全開に出してみました。カジュアル使いもOK。
私が購入したのラグ幅19mmのモデルです。
私の腕はの外周はおおよそ17cmですがピッタリです。
ビジネスでバシッとキメたいのであればこちらもおすすめ。
革ベルトの価格はピンキリですが、モレラートは割とバランスが良いと思います。
本体がゴールドの場合、おおよそこの二択かと思います。
革ベルトを選ぶ時の注意点
時計のベルトを選ぶ際は長さベルトの長さの他に「ラグ幅」に注意してください。

おおよそ18mm〜22mm程度です。
ちなみにセイコークラウンのラグ幅は19mmです。
革ベルトの手入れの方法
私が購入した革ベルトは初期段階でかなり革が柔らかかったですが、実際は初期段階でかなり固い場合も多いです。
このデリケートクリームを使うとかなり柔らかくすることができます。
やり方は簡単。
まずはデリケートクリームをベルトに薄く塗布していきます。

使用したクリームはブートブラックのデリケートクリームです。
このデリケートクリームは時計のベルトだけではなく、財布・手帳・ベルト・靴・ブーツなど、幅広く使うことが出来るので一家に一本あると役立ちます!
次にベルトをブラッシングしていきます。(布で軽く拭いてもOK)

革靴用のブラシを使いました。
こちらも一本あると便利です。
これだけで革ベルトが超快適になります。
浅いキズであればこの通り。
クリーム塗布前

クリーム塗布後

革ベルトの固さや擦りキズが気になる方は試してみてください。
オススメのセイコーヴィンテージ時計を紹介!
ここまで読んで頂いて、セイコーのヴィンテージ時計に興味を持ったけど、どのモデルが良いのか分からない…そんな方のために、オススメ品を紹介させていただきます。
セイコー ロードマーベル3600
全数字で手巻き。*バーインデックスもあります。そしてノンデイト。
そして当時としては、世界最先端であったであろうハイビート。
玉数も多く、人気も高い。
ヴィンテージ腕時計の入門機としてこれ以上の時計は無いかもしれません。
購入はしていませんが、何度も何度も候補に入っています。
キングセイコー ファースト
もう多分いつか買ってしまうであろう一品です。
当時、グランドセイコーと対をなす製品であった、キングセイコー。
今やグランドセイコーファーストはめちゃくちゃ高くなってしまい手が出せない時計となってしまいました。
ほぼ同じスペック、同じ雰囲気の時計が10万円程度で手に入ります。
時計好きとしては、むしろグランドセイコーより「オッ!」となります。
何度か現物も確認しましたが、雰囲気最高です。
ゴールドとシルバーの2色展開ですが、シルバーの方が珍しいですね。
どちらの色を選んでも、オンオフ使える素晴らしい時計です。
キングセイコー セカンド 44-9990
キングセイコーのセカンドモデルです。手巻き。
特にデイトモデルとノンデイトモデルがありますが、オススメはノンデイトです。
こちらのモデルは過去、持っていた事がありますが手放してしまいました。後悔…。
太いラグと太い針がとても印象的で精度もバッチリでした。
いつかもう一度購入したい一品です。
まとめ
今回は久しぶりにヴィンテージ腕時計を購入してみたので記事にしてみました。
バッチリ時間が合う電波時計も良いですが、機械式の古い手巻き時計もアジがあっていいですね。
ヴィンテージは特に使う場所、タイミング、季節が限られますが、末長く使えるような一品を探す楽しさ、作られた背景・歴史を調べる楽しさ、バネを巻く感覚、音…など今の時計には無い楽しさがいっぱい詰まっています。
是非、ご自身に合った一本を探してみてください。
最後まで読んでくださいましてありがとうございました。